hyrominha diária

ブラジル音楽好きの、日々あれこれ。。。

おじいさんのハサミ

ここ2〜3日、妙に思い出すこと。

 

大阪に住んでいたとき、近くの商店街に路上で包丁を研ぐおじいさんがいました。

和菓子屋さんの定休日の時だけ店舗の前でやっていたので、和菓子屋さんに縁のある人なのかな?

 

私の使ってる包丁は一人暮らしを始めてすぐ母親が奈良旅行土産で買ってくれたもので、もう25年くらいになる古いもの。

日常的には市販のローラー式砥石を使うけど、やっぱり時々はちゃんと研がないと切れないので、何度かおじいさんに研いでもらってました。

 

ある時は、柄も古くなってるから磨かなきゃ駄目だ、って言って柄も綺麗にしてくれました。

 

何回めかの時、

使えなくて捨てられる筈だったハサミを研いで使えるようにしたから、あげるよ。

と言って、どこにでもあるような普通のハサミをおまけでくれました。おまけをもらうほどの常連じゃなかったんだけど^ ^

 

そのハサミ、使ってみると素晴らしい切れ味で!

 

刃の切れ味はもちろんのこと、噛み合わせ(とは言わないのかも(^^;)もピッタリはまってて、ちゃんと切れるハサミってこんなに気持ちいいのか!!って初めて分かりました。

当然、お気に入りのハサミになって愛用してました。

 

そのハサミ、切れ味が良いので旦那も使うようになり、ある日気づくとなくなってました…

どうしたのか聞くと、

あー、会社に持って行ってどこかに無くしたのかも。

ってあっさり。

 

私がおじいさんに貰ったハサミ、って思っていたのでどうして勝手に持ち出すのか、そして無くしちゃうのか、すごくすごく嫌な気分になって、どんな思い入れのあるもので私が大事にしていたものだったか説明して、ちゃんと探すように言ったけど、探したけどないわ、ってどの程度真剣に探したのか疑わしい…

 

そのおじいさん、あんまり話をするタイプではなくて、包丁お願いするときも聞き取れるかどうかの声で500円ね…くらいしか言わないし^ ^

印象的なのは、灰色と薄緑の中間のような不思議な眼の色をしたおじいさんでした。

どっちかというとぶっきらぼうな商売に向いてない感じのおじいさんが、ほんとにたまーにしか行ってなかった私に、ハサミくれたのが凄く嬉しかったのになぁ。

 

あれから、少し高めのハサミを買ってみたりするけど物足りない。

あーあ…

 

その時の、すごくすごく嫌な気分を電車の中で時々思い出すのです。

あのおじいさん元気かなぁ。

 

 

ちなみに包丁も、旦那が使ってナイロンたわしで刃を洗って全然切れなくすることが度々あったり、家で薄い木材かなんかを切ろうとしてカッターの刃が立たないので包丁持ち出して切ろうとしたり(現場に居合わせたので慌てて止めた)、危険でした(笑)

 

そういえば東京来てから包丁研いで貰ってないなあ。