hyrominha diária

ブラジル音楽好きの、日々あれこれ。。。

ぴょんのこと

電車でスマホを見ていて、言葉を失ってしまう訃報を目にしました。

 

私は札幌時代、昼仕事をしながら、夜、某私立大学の2部に通っていてその大学のビッグバンドサークルに入ってサックスを吹き始めました。25歳のころ。

(夜の大学に通っていたのは自分が行きたかったからで、行かせてもらえなかったとかではないです。)

仕事→授業→練習という、三重生活を四年間やっていた訳で今思うと完全に頭おかしい(笑)

 

で、当然大学でのお友達も出来るわけで、ビッグバンドサークルは昼間学生と一緒だったので年下のお友達が沢山できました。特に最初、若者ノリとは完全に異質な私に声をかけてくれた、妙に大人びた某くん、そしてその仲良しだった調子の良い某くんと寡黙だけどめっちゃ音楽できる某くん、この3人目がぴょんな訳だけど。とにかく何故かこの4人で練習終了後に私の車で深夜のドライブによく行ってました。心霊スポットとか山の中とか面白そうな道とか…そんなに行くとこあったのかと、今にして思うけど、時には朝まで遊んで寝ないで仕事行くこともあったなぁ(笑)ぴょんが居ない3人の時もあったかな。「チョビ」というハスキー犬を飼っていて溺愛してて「家に帰ってチョビに会いたい」とよく言っていた。

 

で、ぴょんは子供の頃からピアノを習っていてハイレベルな絶対音感の持ち主で、よく適当な鍵盤を見えないようにいっぺんに鳴らして、「この和音は?」と聞くと瞬時にコードネームを答えるので、そんなんしてよく遊んでた。あとは何かを叩いて「この音は?」と聞くと「G#ですねー」とかの遊びもあったし、全く違う音の「ドレミファソラシドぉ〜♫」を歌って気持ち悪がらせる遊びとか、とにかく楽しかった。でも担当楽器はバリトンサックスだったんだよね。

 

学園祭の時にはビッグバンドサークルでライブハウスを作って内外の人に演奏してもらうので、企画物のラテンビッグバンドを作ってデラルスや東京パノラママンボボーイズスカパラなんかから好きな曲を選んで、でも私は譜面起こせないので、晩御飯を奢るのと引き換えに譜面(それもスコア!)を作って貰ったりしたっけ。スコア出来たらパート譜(移調したりしなきゃならない)は私作るから!!と言っても、多分自分で書いた方が早いしちゃんと出来るので、という意味だと思うけど結局殆ど全部書いてくれた。あの時のメンバーは、サクッと負担なくやってくれそうな人達に声かけたけど、現在ミュージシャンの人結構いるなぁ、豪華メンバーだった!

 

大学を卒業した後はあんまり会うこともなくなったけど、就職するか音楽で生きていくかで悩んでいたと言う話も聞いた。私が在籍していた頃は(というかその前後の世代を知らないだけ?)のちにミュージシャンとなって今や北海道に限らず活躍する人が沢山いて、みんなそんな悩ましい岐路を経験したと思う。

 

最近のSNSを見ていると朗らかな笑顔でおどけた写真なんかも多いけど、当時の私のイメージはおおらかで優しいけれどもふとした時の素の表情の険しさや親しい仲の友人には毒を吐くところなんかもあって、多くは語らないけど色んなことを思っているんだろうな〜、という印象でした。まぁ、SNSなんかには表の顔しか載せないからね。

 

一緒になって遊んだり、音楽やったりしていた頃「ストライドピアノを弾けるようになりたいんですよね〜」って言っていて(もちろん、ジャズやクラシックピアノはバリバリ弾いてた)、それってどんなん?って聞いたら弾いてくれて、それはもう弾けてるじゃん!って思ったな。そういうスタイルのピアノを弾く人を他に知らなかったし、ラグタイムやデキシーをあまり聴くようにならなかったから分からないけど、ぴょんの弾くストライドピアノは聴いてみたくて東京のライブ情報が上がってくるといつも行こうかどうか悩んでいた。

でも、かれこれ20年位はちゃんと喋ってないからなんだか恥ずかしかったのと、もう私のことは半分くらい忘れちゃってるかもな〜って思ってライブに足を運ぶことは無かった。

 

そうそう、ぴょんは会った頃21?歳くらいだったんだけどその風貌と雰囲気からみんなに「45歳」って言われていたから(笑)、やっと実年齢が追いついたねぇ、って思っていた。これから、「若く見えますね!」って言われるかもしれなかったのに残念だったねぇ(笑)

 

今日は一日中、そんな昔のことを思い出していて、みぞおちの辺りがきゅーとして、昨日までの疲れもあって下を向いて帰ってきたけど、中秋の名月だったんだなぁ。

そうか、ぴょんはかぐや姫…ってそれは無いな(笑)

 

札幌のみんなの心中は察して余りある。私が北海道を出た後にも沢山の思い出を作ってきただろうし、沢山の音楽を生み出してきただろうし。ご家族のことを思うと言葉がない。

この先どんな活躍をしたかと思うと本当に残念…

年下の、才能あふれる人の訃報はもう聞きたくない。

 

今夜の月は見逃したのでスイーツ好きだったぴょんを偲んでこんなお月様(北海道フェアで買ったお菓子)とサッポロクラシック献杯

※ビールには合わないのですでに空です。

 

のまさるね〜。

コロナめ。

 

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